SSブログ

特許権の存続期間の延長登録出願の審査基準が改訂 [特許申請・特許出願]

先日、「特許権の存続期間の延長って?」で、最高裁の判決で特許庁の上告が棄却されたことを書きました。
この最高裁判決を受けて、特許庁は、「特許権の存続期間の延長登録出願」の審査基準を改訂することを検討し、今年の秋頃に改訂した審査基準を公表する予定であることと、延長登録出願の審査には改訂審査基準が公表されるまで原則として着手しないことを知らせています。
特許権の存続期間の延長登録出願に関する審査基準及び審査の取扱いについて(特許庁)

例えば、先日の最高裁の判決文には、

「特許権の存続期間の延長登録出願の理由となった薬事法14条1項による製造販売の承認(以下「後行処分」という。)に先行して,後行処分の対象となった医薬品(以下「後行医薬品」という。)と有効成分並びに効能及び効果を同じくする医薬品(以下「先行医薬品」という。)について同項による製造販売の承認(以下「先行処分」という。)がされている場合であっても,先行医薬品が延長登録出願に係る特許権のいずれの請求項に係る特許発明の技術的範囲にも属しないときは,先行処分がされていることを根拠として,当該特許権の特許発明の実施に後行処分を受けることが必要であったとは認められないということはできないというべきである。」
とあるのに対して、
現在の特許庁の審査基準「特許権の存続期間の延長」(PDF)では、
「例えば、有効成分(物)及び効能・効果(用途)が同一であって製法、剤型等のみが異なる医薬品に対して承認が与えられている場合には、そのうちの最初の承認に基づいてのみ延長登録が認められる。」
との記載がありますので、このあたりは改訂される可能性があるのかもしれません。

ちなみに、特許権の存続期間の延長登録出願の件数などを調べてみたところ、2009年の通常の特許出願は330,060件であったそうですが、そのうち延長登録出願の件数は167件だそうです。
また、2009年の通常の特許権の登録件数は193,349件で、特許権の存続期間の延長登録の件数は72件だそうです。
今回の審査基準の改訂などによって、延長登録出願の件数や登録数はもう少し増えていくことになるのかもしれません。


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。